追悼 〜チェスター・ベニントンによせて〜
あーもう、この件について何か言いたい。
リンキン・パークの歌手ベニントンさん死去 自殺か (AFP=時事) - Yahoo!ニュース
Facebookでは投稿してしまったけど、ここでも言いたい。
俺はただただ悲しい。
別に親交があったわけでもなく、ましてや会ったことすらないのだけれども、俺の青春にしっかりと刻まれているボーカリスト。
初めて聞いた高校の時めちゃくちゃカッコいいと思って、クラスの音楽好きから「Hybrid Theory」を借りて聞いたのが始まり。
すぐあとに「METEORA」の初回輸入盤を上大岡の新星堂で買って、字幕もない特典DVD(レコーディングの風景やプロデューサーのインタビューなど)を何度も見た。
そんで「Live in Texas」っていうライブ盤のDVDも何度も見た。
画面の中のチェスターはめちゃくちゃカッコ良くて、鬼気迫るパフォーマンスに圧巻された。
そのあとにあった初めてのライブ体験もリンキン・パークだった。
初めてのライブで荷物をロッカーに入れることも知らず、パーカー着込んでフロアに突入して汗だくになって帰った。
あの時、やけにステージも近く、いま目の前にCDとDVDで見て聞いてきた声がメンバーがいるということに物凄く感動した。
本人達が登場してライブが始まった途端感動のあまり泣いた。
叫びながらボロボロ涙が溢れ出た。嬉しすぎて。
別に俺の為に歌ってくれてる訳じゃないんだけど、なんていうかあの日この目で見た光景はものすごく特別なものだったんだ。
あの時買ったツアーグッズのタオルはまだある。そういやリストバンドは捨てちゃったかな。
それぐらい俺の青春時代に風穴を開けてくれたバンドのボーカルが自殺してしまったなんて、すごく悲しい。
いつからかリンキンのサウンドが変わってしまって余り聞かなくなってしまったんだけど、やはりどう考えてもチェスターのボーカルは素晴らしくて、いろんなラウドロックバンドを聞いたけど、こんなに開放的で爆発力があるシャウトを出せるのはチェスターしかいない。
ましてや通常のメロディーを歌う声もよく響き澄みきっていた。このシャウトと歌声を使い分けて作られるリンキン・パークのサウンドはまさに唯一無二で他のラウドロックバンドと一線を画していた。この声がバンドの個性になっていた。
それだけ、きっとチェスターは命を削っていたんだろう。命を削ってバンドに向き合っていたんだろう。
元来ものすごく真面目な性格(学生証も無いのに大学に忍び込んで授業を受けていた)ゆえに親からの虐待や貧しい生活の中で心を痛め、アルコールやドラッグに依存していた。
その辛さや悲しみを音楽にぶつけ、全米中をツアーで周り、人気が出てからも多忙な中ファンのことを第一に考え、バンドをビッグにしていった。
そんな中で家族も増え、生活は充実しているかのように見えていたが、ロックスター故の苦悩か、もしくは親友クリス・コーネルの自殺が引き金か、どこかで心が失われていったのだろう。
チェスターは救われたのか。
利権に絡む人たちはどう思っているのだろうか。金ヅルがいなくなって落胆しているのだろうか。そしてバンドのメンバーは。
もうこのままチェスターのいないバンドを続ける理由は無いし、チェスターがバンドの顔であり他とは違う特異点だっただけに解散も時間の問題だと思う。
それでもバンドを続けるというならば、それは察するところ余りある。
まあこんなことは抜きにして、俺はただただ悲しい。
今まで幾多のロックスターが亡くなってきたけど、ここまで自分が影響を受け尊敬していた憧れのロックスターが亡くなったのは初めてだ。
そのぶん悲しみも深い。
なんでこんなことになってしまったんだろうな。
安らかに。
残された家族やバンドのメンバーが幸せになることを願っています(俺が願ったところでどうにかなるというものではないが)。